
部長の給料【所得税・累進課税制度】
給湯室での女子話。
部長が「なんでこんなに税金が引かれているんだ」ってぼやいていたことが話題となった。
あゆみちゃんが聞いてきた。

あゆみ
まり先輩、部長の給料っていくらなんですか?
ぶほっ!コーヒーを噴き出してしまった。

まり
あゆみちゃん、突然凄いこと聞くね
でも部長、税金が高いって言っていたから結構もらってるんじゃないかな。
あゆみ「よく分からないんですけど、税金って一律じゃないんですかぁ? 消費税は10%だし」
え~よく分からない。こんな時にいつも教えてくれる怪しい人が出てくるんだよ。
でも、さすがに会社にはいないよね。
あたりを見回すまりちゃん。
その時、部長がやってきました。
まり&あゆみ「お疲れ様です」
あゆみちゃんが何か聞きたそうな顔で部長を見ていました。
あゆみちゃんが部長に給料いくらなんですかぁ?とかいきなり聞き出さないか心配になり
・・・あの部長、給料の税金って一定じゃないんですか?と聞いてみました。
部長「ん?”給料にかかる税率が一定か”、ってことか?
給料、というか”所得”に対してかかる所得税は、一年間の稼ぎに応じて変わるんだよ。
日本では”累進課税制度”といって、稼げば稼ぐほど税率が高くなる仕組みなんだ。
簡単に言えば、給料が低い人ほど所得税率が低く、給料が高い人ほど税率が高くなるんだ。
なぜこのような制度になっているのかというと、課税の負担を公平にするためなんだよ。
頑張ってたくさん稼いでいる人の税率が高いのは、それだけ支払う力があると考えられているからなんだ。
この仕組みによって、低所得者への所得の再分配が行われ、経済的な格差を和らげる役割を果たしているんだね」
まり&あゆみ「そうなんですか、ありがとうございます、部長」
部長の説明を聞いても、結局良く分かっていないまりちゃんとあゆみちゃんでした。