小規模企業共済
税理士事務所に転職して気づいた「小規模企業共済」という制度
税理士事務所に転職してからというもの、
毎日ひたすら関与先の年末調整をやっています。
書類の山、ヤマ、YAMA
その書類をチェックしていると、
たまに見かける書類がありました。
「小規模企業共済」
最初は
「なんだろうこの書類?」
くらいにしか思っていなかったのですが、
水田さんが教えてくれました。
水田「小規模企業共済は、1年間に払った掛け金を所得控除できるんだよ。」
すると、隣で書類チェックをしていたあゆみちゃんが突然言いました。
まりさん!こんな制度があるなんて知らなかったですね!私たちも加入しましょう!
……ん?
少し前までは「まり先輩」だったのに、
いつの間にかまりさんに昇格(?)しています。
親しみを込めて呼んでくれているようなので、嬉しい気持ちになりました。
すると、横で聞いていたあんず先生が一言。
あんず先生
「あゆみさん、残念だけど二人は加入できないのよ。」
えっ💦
加入できないんですか?
小規模企業共済ってどんな制度?
小規模企業共済ってどんな制度なんですか?
あんず先生が説明してくれました。
あんず先生「小規模企業共済はね、
小規模企業の個人事業主や会社の役員の人が、廃業や退職後の生活資金を積み立てる退職金制度なの。」
つまり簡単に言うと、
個人事業主や経営者のための退職金制度です。
そのため、
- 個人事業主
- 小規模企業の役員
などが対象になります。
残念ながら、会社員は加入できません。
さらに条件もあります。
小規模企業といっても、業種によって従業員数の条件が違うそうです。
例えば
従業員20人以下
- 建設業
- 製造業
- 運輸業
- 不動産業
- 農業
- サービス業(宿泊・娯楽)
従業員5人以下
- 卸売業
- 小売業
- サービス業(宿泊・娯楽を除く)
また、従業員は常時雇用の正社員が対象です。
フリーランスの場合は、雇用契約ではなく
請負契約や準委任契約で事業所得として申告している人が対象になります。
なるほど…だから**“小規模”企業共済**なんですね
確かに、関与先でこの制度に入っている人は
会社の役員の方が多い気がします。
小規模企業共済のメリット
もし加入したら、どんな特典があるんですか?
するとその瞬間。
📞 プルルルルル…
あんず先生
「ごめんなさい、電話が来ちゃった。金山さん、説明お願い!」
突然のバトンタッチです。
金山さんが説明してくれました。
金山「小規模企業共済はね、
事業をやめた後の生活のために退職金を積み立てる制度なんだ。」
満期というものはなく、
- 廃業
- 退職
などのタイミングで受け取れる仕組みです。
つまり、
個人事業主や経営者の退職金積立
と思えば分かりやすいそうです。
さらに大きなメリットがあります。
節税です。
掛け金は
月1,000円~70,000円
まで自由に設定できます。
例えば
月7万円の場合
年間
84万円
を積み立てることになります。
そしてこの
84万円がそのまま所得控除
になるのです。
つまり、税金を計算する前の“経費”みたいなものですね
金山「そういうこと。退職金を積み立てながら節税できるんだ。」
そして金山さんは続けました。
金山「まりさんもあゆみさんも、
該当する関与先がいたらこの制度を説明してあげてね。」
税理士事務所の仕事は「計算だけじゃない」
税理士事務所って、税金を計算するだけじゃなくてお得な制度も教えるんですね
すると金山さんが言いました。
金山「もちろん。ただし注意点もあるよ。」
実はデメリットもある
金山「掛金の納付期間が240か月(20年)未満だと、元本割れする可能性があるんだ。」
つまり、
20年未満でやめると払った金額より少なくなることがある
ということです。
さらに、
途中で掛け金を増減している場合は
20年以上でも元本割れする可能性があるそうです。
関与先へ提案する時は
- 元本割れの可能性
- 毎月の掛け金が出ていくこと
この2つをしっかり説明する必要があります。
金山「時間と資金に余裕がある人には、
メリットの大きい制度だと思うよ。」
なんだか税理士補助者っぽくなってきた?
知識を身につけて、関与先にアドバイスするって…なんだかかっこいいですね
するとあゆみちゃんがニヤニヤしながら言いました。
まりさん、なんか私たち…どんどん賢くなっていく気しません?(笑)
確かに。
転職してからまだ日が浅いですが、
毎日ちょっとずつ税務の知識が増えている気がします。
ただし今は――
年末調整の書類の山に埋もれながらですが。